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特定調停による17条決定後の過払い金請求に関する判決
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平成18年5月25日和歌山地裁新宮支部判決
判決要旨本判決にかかわる17条決定については、無効であると判示し、貸金業者に対して過払い金の支払を命じました。以下本文から民事調停法17条所定の調停に代わる決定は、当事者又は利害関係人が同法18条1項の期間内に異議の申立をしたときは失効する(同条2項)とされ、かかる異議の申立がないときは、その決定は裁判上の和解と同一の効力を有する(同条3項)とされており、その形式上は決定8裁判)であるが、その実質は受調停裁判所による最終的な調停解決案の提示であって、当事者等が異議の申立をしなかったことは、そこに合意の存在が擬制され、調停に準じる性質を有するものと解される。したがって、同決定が確定したときは、裁判上の和解と同一の効力として、調停と同様に原則として既判力を有するが、意義の申立をしなかったことにつき、要素の錯誤等の実体法上の瑕疵が認められる場合は、当事者は、再審によらずに当該決定の無効を主張することができると解するのが相当である。(略) したがって、本件決定は、その前提につき要素に錯誤があって無効であると解するのが相当である。 よって、原告の被告に対する不当利得返還請求権としての過払金返還請求権は、本件決定の既判力による遮断を受けないことになる。
特定調停については、過払金が発生していても、「双方債務不存在」の清算条項を定めた17条決定が出ていたのも事実であり、過払い金が発生しているにもかかわらず、そのことを知らずに異議の申立をせず、17条決定が確定してしまい、過払い金返還請求権を法律上行使するのが困難な状態になっている人に行使の機会を与える上で、意義のある判決です。 今後についても、錯誤により意義を申し立てられなかった人を救済する機会が多く出てくることに希望がもてると考えます。 この判決は、下級審判断であり、今後の上級審の判断が待たれるところです。
17条決定の効力を無効であるとして、過払い金の返還を命じる下級審の判決もいくつか出ていますが,現時点では最高裁の判断もなく、訴訟提起したからといって効力が否定されるかについては裁判官の判断にまかされる状況です。
判決全文(下記をクリックして下さい)
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